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高齢者や障がい者の方々に関わるご相談

高齢者や障がい者の方々に特有のご相談としては、特に、福祉サービスのご相談や成年後見制度があげられます。ここではこれらについて解説します。

1 福祉サービスの利用について

 

高齢者や障がい者の方々が日々の生活を送るにあたり、介護保険法や障害者総合支援法のサービスを利用される場合があります。

これらの福祉サービスは、利用者にとって「なくてはならないもの」ですが、必要な種類のサービスが受けられなかったり、サービス提供時間が足りないと感じたりすることがあります。

福祉サービスの支給内容や支給量を決定する行政処分については、国が政策的に社会保障費を削減していることもあり、制度自体の問題も大きく影響しています。決定された内容に不満があったとしても、残念ながら、あきらめざるを得ない場合もあるでしょう。

ただ、本来、高齢者や障害者の生活を支えるための制度ですから、サービス内容が十分なものであるのかどうかは個別的な判断が必要であり、「十分であるか」を一番分かっているのはご自身やご家族のはずです。

最終的な手段は裁判所の手続になりますが、それ以外にも、行政不服審査法による不服申立の手続で争うこともできますし、事実を整理して資料を整えた上で、再度申請を出し直すことで解決する場合もあります。

2 事業所とのトラブル

サービス利用中に転倒事故が発生したり、褥瘡(じょくそう)の管理が杜撰(ずさん)であったりして、事業者の対応に不満を抱くこともあります。

ただ、福祉サービスを利用される方やご家族にとっては、「文句を言って利用できなくなったらどうしよう」と心配で、事業者に対して声を上げにくいことも多いのはないでしょうか。ご相談をお受けしていても、よくこの不安をお聞きします。

事業所とのトラブルは、利用者や家族にとって、対応にとても苦慮する問題です。

社会福祉法は、福祉サービスの利用者が事業者に対して弱い立場に置かれていることを踏まえ、苦情解決の仕組みを設けており、事業所は苦情受付担当者や苦情解決責任者を定めています。

また、第三者委員を置いている事業所も多く存在しているほか、国民健康保険団体連合会や都道府県社会福祉協議会に設置された運営適正化委員会など外部の苦情受付窓口もあり、匿名の苦情も受け付けています。

「お世話になっている」という意識も働いて声を上げにくいかもしれませんが、第三者に不満を聞いてもらえるだけで気持ちが落ち着くこともあります。

また、生命や身体に関わる事故について、事業所と何度も話し合いをしても、資料を提供してもらえなかったり、落ち度を認めてもらえなかったりすることもあるでしょう。

近年、介護や介助に関わるトラブルが訴訟に発展する事例も増えており、施設内における転倒事故などで事業者の責任が認められた裁判例も多数存在します。

当事務所では、不当な行政処分に対する審査請求や取消訴訟も取り扱っております。実際に行政処分の取消しを認めさせた事例もあります。

不服申立てや裁判はハードルが高いという方には、まずは事業所との交渉からお受けすることも可能です。抱えておられる不満や不安な気持ちを整理して、解決策を一緒に考えさせて頂きます。

3 成年後見制度について

「別々に暮らしている高齢の親に物忘れが出てきていて、久しぶりに家に行ったら郵便物が開封されずに放置されていた。」、「長年にわたって知的障害を抱えた娘の年金を管理しているけれど、将来、自分が管理できなくなったときを考えると不安で仕方がない。」、そんな悩みを抱えている方には、成年後見制度が解決策になるかもしれません。

成年後見制度とは、認知症、知的障がい、精神障がい、発達障がいなどによって物事を判断する能力が十分ではない方について、その方の権利を守るための支援者を選び、法律的に支援する制度です。

成年後見制度の種類には、任意後見制度と法定後見制度があります。前者は、判断能力が不十分になる前に公証人役場で契約手続をしておくもので、後者は、判断能力が不十分になってから家庭裁判所に申立てを行うものです。

任意後見制度は、自分の判断能力が不十分になる前に、あらかじめ自分が選んだ人と契約を締結し、自分の代わりにしてもらいたいことを決めておく制度です。

任意後見人となることを引き受けた人は、契約を締結してから定期的に面談をするなどして本人の様子を確認します。

そして、本人の判断能力が低下した場合に、家庭裁判所に監督人を選任してもらうことで、任意後見契約の効力が生じることになります。

法定後見制度は、支援の対象となる方の判断能力が不十分になった状態で、家庭裁判所に支援者を選任してもらう制度です。

その方の判断能力の程度に応じて、①補助、②保佐、③後見の3つの類型が用意されています。

これらの類型によって、本人が支援者の同意なしに1人ではできない行為や、支援者が本人に代わって行うことのできる行為などに違いがあります。

 一般的に、①補助は「判断能力が不十分な方」、②保佐は「判断能力が著しく不十分な方」、③後見は「判断能力が欠けているのが通常の状態の方」に対応していますが、その判定は認知機能だけではなく社会生活への影響なども考慮して総合的に行われます。

家庭裁判所は、対象となる方がどの類型に該当するのかの判断にあたり、福祉サービスを提供している事業所などの情報を踏まえた医師の診断書を資料としています。

成年後見制度の利用を躊躇(ちゅうちょ)される方は結構おられます。判断能力が十分ではない方を守るため、いったん利用を開始してしまうと後から制度の利用を止めることは困難となっていることも要因となっています。

また、親族以外の方に支援してもらう場合には、報酬の支払いも考えておく必要があります。

さらに、ご家族が本人のために法定後見制度の利用を考えていても、本人がなかなか受け入れてくれない場合もあります。

当事務所には、成年後見制度の経験豊富な弁護士が多数在籍しています。ご本人やご家族の気持ちに寄り添い、制度の選択や利用のタイミングについても丁寧に対応させて頂きます。