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2015年4月21日所長 弁護士 竹下 義樹

これでいいのか?日本の将来

 わが国の2015年度予算が、4月を過ぎてからようやく成立しました。皆さんは今年度の予算が成立したというニュースを聞き、何を考えましたか。

 先日(2015年2月1日)TBSで放映された「世界・ふしぎ発見」という番組を見ていて、日本の将来に不安を感じました。ちなみに、その番組はフィンランドを取り上げていました。

 ご存じの方も多いと思いますが、北欧では税金の負担率は所得の50%を大きく超えており、フィンランドでは消費税も24%となっています。番組の中で、シングルマザーの母親が、インタビュアーから「税金が高いことをどう思いますか」と尋ねられたのに対し、「いいじゃないの。どうせ将来はこの子のために使われるのだから。」と答えていました。その一言から見えてくるフィンランドの国としての在り方と、市民の国に対する信頼というものを、実感することができました。

 これに対し、わが国の2015年度予算を見ていると、軍事費は過去最高額となり、社会保障費は約1兆2000億円あると言われる自然増に対し、実際にはわずか2200億円の増加でしかありません。高齢化が進んでいるにもかかわらず、介護保険における報酬が2.27%引き下げられ、高齢者の医療費における自己負担が引き上げられ、生活保護でもこの2年間で生活扶助費が10%引き下げられています。さらに、国は生活保護費のうち、住宅扶助基準の引き下げと冬季加算の実質引き下げを強行しようとしています。

 そうした予算を見ていると日本の豊かな将来像は全く描けません。このままで日本は将来安心して住み続けられる社会になるのでしょうか。日本のGDPは、中国に抜かれたとはいえ、世界で第3位であり、依然として世界でもダントツと言ってもよい豊かな国です。しかし、わが国の「富」の大半は一握りの階層に集中しており、貧富の格差が広がり続けています。社会保障を切り下げてしまえば、国民が安心して暮らし働ける社会を作ることはできません。今の日本では、フィンランドの女性のような答えは、誰もしないでしょう。適正な税負担はやむを得ませんが、国民が納得して税金を負担できる社会であってほしいと思います。